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2022.07.01
製品の製造過程において、製品や生産設備に付着した汚れを落とさなければ、製品の価値は下がってしまいますし、生産性は低下してしまいます。
とはいえ、産業において発生する汚れは強固なものなので、化学的に汚れを落とす必要があります。
そのような時に、化学洗浄が行われます。
一般的な清掃における洗浄とは異なり、工業や産業などにおいて、施設や設備の汚染を取り除くことで機能を取り戻すことを、産業洗浄と言います。
産業洗浄の方法には、高圧洗浄と化学洗浄の2種類があります。
ここでは、化学洗浄について紹介します。
化学洗浄とは、化学薬品を用いた洗浄方法のことです。
加圧された水がノズルから噴射された際の物理的な衝撃力で汚れを除去していく高圧洗浄とは異なり、化学的な作用で汚れを分解していきます。
そのため、強くこびりついている汚れや、界面活性剤を使用しても水には溶けない汚れなど、高圧洗浄では落としきれない汚れに対して使用すると効果的です。
化学洗浄の目的は、除錆と防錆、油脂分の除去、表面処理や機械加工の前処理、配管内部の清浄度の向上、腐食の防止、製品価値の向上と性能回復、傷や腐食の発見です。
また、溶接やはんだ付けやロウ付け前後の洗浄、金属屑やバリの除去、スラッジや硬水垢の除去などにも用いられます。
化学洗浄によって汚染を除去すると、製品の見た目が美しくなり、品質を維持できますし、加工性を向上できます。
つまり、化学洗浄によって、製品価値と生産性を向上させられるのです。
化学洗浄では様々な材質の製品を対象としており、対象の材質に合った化学薬品を使用して、付着した汚染を取り除きます。
洗浄に用いられる化学薬品には、酸、アルカリ、界面活性剤、溶剤、純水などがあり、水系洗浄剤、準水系洗浄剤、溶剤系洗浄剤の3つに分けられます。
この内、毒性や引火性などの面で最も安全性が高いのは、水系洗浄剤です。
水系洗浄剤は、アルカリ性洗浄剤、中性洗浄剤、酸性洗浄剤に分けられます。
アルカリ性洗浄剤とは、アルカリ効果やキレート効果による中和、およびケン化と界面活性剤による油分の乳化を利用した洗浄剤のことです。
油性汚れや粒子汚れに対して効果的ですが、金属を腐食しやすい点に注意が必要です。
中性洗浄剤とは、界面活性剤の油分を乳化させる作用を利用する洗浄剤のことです。
界面活性剤を主な成分としており、安全性が高く金属を腐食させないです。
そのため、アルカリ性洗浄剤を使用できない材質やそういった箇所にある油性汚れやワックスの除去に対して効果的です。
酸性洗浄剤とは、酸で汚れを分解する洗浄剤のことです。
スケール、サビ、酸化膜の除去などに使用されます。
アルカリ性洗浄剤と同様に、腐食や損傷を引き起こしやすいです。
洗浄剤の作用には、浸透、乳化、分散、再汚染防止、泡立ちの作用があります。
浸透作用とは、染み込むことで水に濡らす作用のことです。
乳化作用とは、油分を粒にすることで水に溶かす作用のことです。
分散作用とは、水に溶けない細かな汚れを水の中に散らばらせる作用のことです。
再汚染防止作用とは、洗浄剤に溶け出た汚れの再付着を防ぐ作用のことです。
泡立ちとは、分散された汚れを泡が吸着することで、すすぎの時に流れ去らせる作用のことを指します。
化学洗浄の代表的な方法には、浸漬洗浄、循環洗浄、塗布洗浄があります。
浸漬洗浄とは、薬品を入れた洗浄槽に沈ませることで、汚れを溶かす方法のことです。
循環洗浄とは、ポンプによって製品内で薬品を溶かした液体を循環させ、汚れを溶かす方法のことです。
塗布洗浄とは、洗いたい物が洗浄槽に入らない場合や、洗いたい物の一部だけを洗浄したい場合に用いられる洗浄方法のことを指します。
浸漬洗浄には、脱脂槽、脱錆槽、防錆槽が必要です。
脱脂槽では強アルカリ性薬品が用いられ、油脂分を除去します。
脱錆槽では強酸性薬品が用いられ、錆やスケールを除去します。
防錆槽では弱アルカリ性薬品が用いられ、防錆処理をします。
浸漬洗浄は、洗浄剤だけで汚れを分解して引き離します。
そのため、洗浄剤に加えて、水の勢いで引き離せる循環洗浄や、こする力で引き離せる塗布洗浄よりも、時間がかかってしまいますが、全体的に均一な洗浄効果を得られます。
浸しておくだけなので簡単ですし、高度な設備が必要ないので、浸漬洗浄が最も一般的に用いられています。
「落としたい汚れ」と「洗浄する対象」を踏まえて洗浄方法と設備を考え、関係法令に違反していないことを確認したら、洗浄工程に入ります。
洗浄工程は大きく分けると主に、脱脂洗浄、酸洗浄、中和および防錆の3段階です。
最初に油脂を落とし、次に酸でサビやスケールを落とし、最後に中和と防錆処理を行います。
各段階の間には、汚れの再付着や塩素ガスの発生などを防ぐために、高圧水で薬品と汚れを洗い流す作業が入っています。
今回は、化学洗浄の目的と工程について紹介しました。
化学洗浄は、人々の生活を陰ながら支えている、大事な作業であるということが分かりますね。
何か質問などがございましたら、ぜひ当社までご連絡ください。
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