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2022.10.04
「ステンレスって錆びないイメージがあるけど、錆びない金属なんて存在するのかな」
このような素朴な疑問をお持ちの方がいらっしゃるでしょう。
確かにステンレスは錆に強いことで有名ですが、錆びないというわけではありません。
そこで今回は、ステンレスが錆びてしまう原因や対策について紹介します。
ここではステンレスが錆びに強い理由を紹介していきます。
そもそもなぜステンレスが錆びに強いのかを知らないという方はぜひ覚えていってくださいね。
ステンレスは、SUSとも呼ばれ、特に錆びに強い特殊鋼に分類されます。
なぜステンレスが錆びに強いのかというと、それはステンレスが常に不動態皮膜と呼ばれる薄い膜で保護されているためです。
このような不動態皮膜を持つ金属のことを不動態金属と呼びます。
この膜はステンレス自体を錆びから守るための壁として機能しています。
これが破壊されることがなければ、腐食や錆が進行することはありません。
そして、この膜にはもうひとつ機能があります。
それは錆びの進行を遅らせるというものです。
この腐食進度を大きく低下させることを不動態化と呼びます。
この不動態化はステンレス以外の金属でも発生しています。
具体例としては、チタンやチタン合金、アルミニウムやアルミニウム合金などが挙げられます。
不動態皮膜は破壊されたとしてもすぐに再生する効果があります。
そのため、ステンレスは錆びに強い金属と言われているのです。
では、この膜はどのようにして作られているのでしょうか。
この謎を明らかにするためにはステンレスの成分に着目する必要があります。
ステンレスには、クロムが12パーセント以上含まれているという定義があります。
このクロムこそが不動態皮膜の正体です。
皮膜が再生するのは、その破壊された部分が新たに酸素と結びつくためです。
酸素と結びつくことで再度皮膜が形成されるということです。
ここまではステンレスが錆びにくい理由について紹介してきました。
では、錆というのはなぜ発生するのでしょうか。
ここでは錆の発生原因について紹介します。
主な原因は以下の4つです。
・もらい錆び
ステンレスの表面に鉄が接触したままの場合を想定します。
この時にもし鉄が錆びてしまうと、その錆の影響をステンレスも受けてしまいます。
もらい錆びというのは、錆びたステンレスの場合やそれ以外の金属の場合でも発生します。
・水分や汚れの付着
汚れや水分が付着していることでも錆が発生する恐れがあります。
不動体皮膜によって錆びに強いという特性を持つステンレスは、膜が破壊されても再生されることを紹介しました。
この皮膜の再生時には酸素が必要です。
しかし、汚れや水分が付着していると酸素が阻害されてしまいますよね。
酸素が阻害され破壊された皮膜を再生することができなくなってしまい、錆が発生するという流れです。
・塩分の付着
ステンレスというのは塩分に対する耐食性にも優れています。
しかし、塩分が付着した状態でそのまま放置しているとステンレスでも錆が発生してしまいます。
・酸やアルカリなどの薬品の付着
酸やアルカリもステンレスを錆びさせることがあります。
種類や濃度、温度によっても影響は変わります。
具体的には、濃アンモニア水、酪酸、重炭酸ソーダ、酢、濃硝酸、無水酢酸、硫酸、塩素ガス、塩素水、塩酸、臭素などが挙げられます。
ここからはステンレスの腐食対策について紹介します。
雨や洗浄によって、付着物が洗い流されやすい環境を作ることが大切です。
こちらは金属組織を構成する粒界に腐食が生じるものです。
これは、金属製品を製造する際に450〜850度で加熱された場合にクロム炭化物が生成されるのですが、この時にクロムが失われることによって腐食が起きます。
対策としては、2種類の方法があります。
1つ目は、ステンレスを再度高温で固溶化処理をする方法です。
これをすることによってクロム炭化物となってしまったステンレスに再度クロムを戻すことができます。
2つ目は、炭素含有量の少ないステンレスを使用する方法です。
クロム炭化物の生成を軽減する効果があります。
塩素イオンが原因で発生する腐食です。
対策方法としては以下のような方法があります。
・塩素イオンを洗い流す
・塩素イオンがステンレスの表面にとどまることがないように海流速度を一定以上に保つ
・ステンレスにモリブデンを添加する
・クロムの含有量が高いステンレスを使用する
物体に外から力が加わると、その物体の内部ではその力に抵抗する力が生まれます。
これが積み重なることによって素材が破損し、そこから腐食が発生します。
対策としては以下の方法があります。
・応力の計算方法の見直し
・圧力軽減のための熱処理
・腐食を促進する物質の除去
今回は、ステンレスが錆びてしまう原因や対策について紹介しました。
ステンレスは非常に錆びに強い鋼です。
しかし、錆びないというわけではないので、紹介した対策を参考にしてくださいね。
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