工場内で金属が錆びてしまう！原因と対策を紹介します！

錆は私たちの生活でもさまざまな形で目にしますよね。
金属は大気にさらされることによって必ず錆が発生するものです。
ものづくりの世界で働く皆さんは、錆への対策は徹底しておきたいと考えていらっしゃるでしょう。
そこで今回は、工場内で金属が錆びてしまうという悩みをお持ちの方へ原因と対策を紹介します。

目次

□錆びが発生する原因とは

工場内で錆が発生して困っている方は、原因を探すことが重要です。
ここでは錆が発生する原因について紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

錆は、金属と気体の酸素との間で発生する電荷移動です。
ここに水が加わることによって、反応が急速に進みます。
水が酸素に溶け込んでいることも、電荷移動を促進すると考えられています。

また、塩分も錆の発生を促進させる原因です。
塩分は電解質を含んでおり、これらが溶け込むと反応が急速に進みます。
海水や海岸付近では、影響を受けやすいため、注意が必要です。

では、工場内で錆が発生してしまうのはなぜなのでしょうか。
考えられるケースとしては、夜から明け方にかけての気温差です。
気温の変化が5度以上あるだけで、結露が発生してしまいます。
結露は水分なので、錆びを発生させる要因になりますよね。

結露の他には、先ほど紹介した塩分や水溶性の加工油、薬品、もらい錆なども考えられます。

□金属の錆びやすさについて紹介

錆の発生メカニズムと発生原因についてご理解いただけたでしょうか。
ここでは、金属そのものの錆びやすさについて見ていきたいと思います。

金属の錆びやすさというのは、標準酸化還元電位によって決まっています。
これは、金属の電子の放出のしやすさのことを指します。
この標準酸化還元電位の値が高ければ高いほど、電子を放出しにくいため、錆びにくいということになります。
以下で代表的な金属の、電位を紹介します。

・金　1.69
・銀　0.80
・銅　0.34
・鉛　-0.13
・ニッケル　-0.23
・鉄　-0.44
・亜鉛　-0.76
・アルミニウム　-1.66

上記で紹介した金属の中では、金が最も錆びにくいということです。
ただし錆というのは、標準酸化還元電位以外の要素も関係しています。

錆びにくいといっても、錆が発生しにくいのと錆が進まないというのでは、解釈が異なりますよね。
そのため、以下で錆びにくい金属と錆びやすい金属、錆が進行しない金属のトップ3を紹介しておきます。

錆びにくい金属トップ3

金
白金
パラジウム

錆びやすい金属トップ3

リチウム
カリウム
カルシウム

錆が進行しない金属トップ3

クロム
チタン
アルミニウム

ちなみに錆が進行しないというのは、金属の表面に不動態を形成するためです。
不動態が形成されると、錆が進行することを防げます。

□錆対策のポイントとは

金属と錆の関係性についてご理解いただけたところで、錆対策について紹介していきます。
今すぐにでも実践できるポイントを紹介しているので、ぜひ実践して見てくださいね。

1つ目は、錆びにくい環境作りと錆びやすい箇所の発見
先ほども紹介したように、海が近いと塩分によって錆が発生しやすくなります。
機械に使われている金属に関しては、ほとんどがメッキ塗装などの処理が施されていると思います。
処理が施されていると錆は発生しにくくなっていますが、傷がついてメッキ塗装が剥がれると、そこから錆が発生してしまうでしょう。

対策としては、湿度管理や汚れの清掃が考えられます。
ホコリも溜まっていると、湿気を含んで錆の原因となります。
掃除はこまめに行うことをおすすめします。

2つ目は、日常的に錆びている箇所を確認することです。
日々の掃除を行う際には、同時に錆が発生しているかどうかを確認しましょう。
錆が発生している部分の周辺は特に注意が必要です。
集中的に錆対策をおこなった方が良いでしょう。

3つ目は、錆びやすい物を持ち込まないことです。
これは金属そのものが混入することの対策としても重要ですが、錆対策にも繋がっているのです。
具体例を挙げるとすれば、ヘアピンやクリップなどでしょう。
これらが機械に引っかかってしまい、そこから錆が発生するというのはよくある事例です。
こうした錆が発生する要因になるものは、持ち込まないことを徹底しましょう。

4つ目は、定期的に機器やパーツのメンテナンスを行うことです。
すでに錆が発生している機器がある場合は、放置せずにすぐさま対処しておきましょう。
錆はどんどん拡大していってしまうので、放置することはおすすめできません。
また、メンテナンスをすることで錆以外にも気づかなかった劣化が見つかることもあります。
また、壁や手すりといった部分にも錆びを防止する塗料を塗っておくと良いでしょう。