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2023.03.22
倉庫や工場で働く方にとって錆問題は深刻な悩みですよね。
そもそもなぜ金属というのは錆びてしまうのでしょうか。
まずは錆が発生する原因を明らかにしたいと思います。
そして、発生する錆の種類と錆の発生を防ぐ方法について紹介します。
何が原因で錆が発生するのかを理解することは、根本的な錆対策につながります。
そのため、まずは金属に錆が発生するメカニズムを紹介したいと思います。
ここでは鉄を例にして錆の発生原因について見ていきます。
錆について紹介する前に原子、分子、電子の存在について説明します。
原子とは最も小さい粒のことを指し、それらが合体したものを分子と呼びます。
そして、分子をくっつける役割を持っているのが電子です。
分子の中にはたくさん電子を持っているものもあれば、少ししか持っていないものもあります。
多くの電子を持っているものをマイナスイオン、少ないものをプラスイオンと呼んでいます。
また、ちょうど良い電子の数を持っている状態を安定していると言います。
鉄というのは、単体では電子の数がちょうど良いため、安定しています。
この安定している状態を崩してしまうのが、雨などの水分です。
鉄の表面に水分が付着すると、鉄は溶解しながらイオン化します。
鉄がイオン化すると、水分は空気中の酸素と溶け込みながら鉄の電子を奪い、水酸化鉄イオンへと変化します。
同時に、電子を奪われてしまった鉄は、鉄イオンへと変化します。
そして、この鉄イオンは、先ほどの水酸化イオンとくっつくことで、酸化鉄へと変化します。
この酸化鉄こそが皆さんを悩ませる錆のことです。
このように鉄には錆が発生してしまうということです。
どのような種類の錆が存在しているのかを知ることも錆対策においては大切です。
そのため、次は錆の種類について見ていきましょう。
・赤錆
こちらは赤茶色の錆のことです。
酸の溶液に溶けやすいという性質を持っています。
この性質があることで水分や酸素が金属の内部にまで入り込みやすくなります。
そして、内部まで錆が進行してしまうと、全体がボロボロになってしまいます。
・黒錆
こちらは高温で鉄の表面を酸化させることで発生します。
赤錆とは異なり、緻密な被膜を形成してくれます。
そのため、錆ではありますが、金属内部の腐食を防ぐのに役立ちます。
黒い皮膜が形成されている商品を見たことはありますでしょうか。
それらは黒錆による防錆対策が施されているものです。
・緑青
こちらは銅が参加することによって発生する青緑色の被膜です。
この錆は抗菌力や耐食性に優れているという特徴があります。
そのため、建物の給水設備には銅管を使用して、緑青の恩恵を受けられるようにしてあります。
また、神社やお寺などで目にする青緑色の仏像も長い年月をかけて錆が形成されているということです。
ここからは実際に錆を防ぐための方法について紹介していきたいと思います。
錆を防ぐ方法は全部で5つあります。
それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
1つ目は、塗装です。
こちらの方法は、金属の表面を塗膜によって保護する方法です。
表面を保護することで、錆の発生の原因となる水分や酸素を遮断するということですね。
2つ目は、めっきです。
こちらは錆に強い金属を使用して表面を覆う方法です。
こちらも塗装と同じ原理ですが、それ以外のメリットがあります。
塗装の場合は、傷がついたり剥がれたりすると内部が露出してそこから錆が発生してしまうことがあります。
めっきの場合は、亜鉛を使用することが多いのですが、亜鉛の被膜はこうした傷にも強いのです。
理由としては、傷がついた部分から亜鉛イオンが溶け出して酸素と結合してくれるためです。
3つ目は、薬品制御です。
こちらは錆を抑制する薬剤を使用する方法です。
酸素を遮断する効果のあるものや腐食に強い不動態被膜を生成するものがあります。
薬剤を使用した錆対策は、使い方を間違えるとかえって大量の錆が発生してしまうこともあるので、注意が必要です。
4つ目は、防食さび形成です。
こちらはあえて表面に錆を作ることで、それ以上の腐食を防ぐ方法です。
赤錆よりも緻密な黒錆をあえて発生させることで内部の腐食を防ぐという方法を紹介しましたね。
それがこの防食さび形成という防錆対策のことです。
5つ目は、環境制御です。
こちらは名前の通り、錆にくい環境を作ることです。
例えば、水や酸素を除去する装置を備えたり、密閉空間を作り出したりといった工夫が挙げられます。
錆の原因となるものをあらかじめ取り除くといった考え方ですね。
今回は、金属が錆びてしまう原因と錆の種類について紹介しました。
錆が発生するのは水分と酸素が原因であることを理解していただけたでしょうか。
また、錆にはさまざまな種類があり、中には内部の腐食を防ぐ効果のあるものもありましたね。
錆問題でお悩みの方は、紹介した錆対策を参考にしていただければ幸いです。
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