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2023.03.22
金属の錆でお悩みの方は多くいらっしゃるでしょう。
錆が発生しないための対策はさまざまですが、その中の1つに錆にくい金属を使用するという方法があります。
そこで今回は、錆にくい金属について紹介します。
まず前提として、錆というのは完全に防ぐことはできません。
しかし、金属の中には錆びやすいものもあれば、錆びにくいものも存在しています。
これらの基準となっているのが、イオン化傾向というものです。
イオン化傾向が大きい金属は錆びやすく、イオン化傾向が小さい金属は錆にくいという特徴があります。
前者を卑な金属、後者を貴な金属と呼ばれることもあります。
下記でイオン化傾向の順番を紹介しておきますね。
・リチウム
・カリウム
・カルシウム
・ナトリウム
・マグネシウム
・アルミニウム
・亜鉛
・鉄
・ニッケル
・錫
・鉛
・水素
・銅
・水銀
・銀
・白金
・金
下に行くにつれてイオン化傾向は小さくなります。
そのため、この中では金が最も錆にくいということです。
ただしイオン化傾向が低いからといって錆びやすいとは一概には言えません。
以下で詳しく紹介したいと思います。
錆に強い金属というのは、先ほど紹介したイオン化傾向に基づいたものだけではありません。
ここでは3つの代表的な金属の種類について紹介していきたいと思います。
・貴金属類
こちらの分類に含まれているのは、金、銀、プラチナ、ルテニウム、オスミウム、パラジウム、ロジウム、イリジウムの8つがあります。
これらは金属イオンが溶け出しにくいために、酸素との結合がしにくいです。
錆というのは、水と酸素が原因で発生するため、酸素と結びにくいことが錆の発生しにくさにつながります。
イメージしやすいものでいうと、金やプラチナですね。
これらはアクセサリーとして使用されています。
人の肌に常に触れているというのは環境としては非常に過酷です。
しかし、それでもなかなか錆が発生しないというのは、それだけ錆にくいということです。
・不動態被膜類
この分類に含まれる代表的な金属は、ステンレスです。
キッチンで使用されているのはイメージしやすいですね。
水にさらされていても錆びているのを見たことがある方は少ないでしょう
ステンレスの他には、アルミ合金やチタン合金、ニッケル合金なども不動態被膜類に含まれています。
・表面錆で内部を守る金属類
腐食を防ぐためにあえて表面に錆を生成する方法もあります。
代表的なものとしては、銅や亜鉛が挙げられます。
これらの金属は表面に錆が発生することにはなりますが、保護するための役割を果たしています。
表面に錆を発生させることで内部までは錆を発生させないということです。
イメージとしては、神社やお寺にある仏像がわかりやすいです。
仏像が緑になっているのを見たことあるでしょうか。
それも緑青といって内部の錆を防いでくれています。
最後に錆の形についてもお話ししたいと思います。
錆というのは、金属の材質や形状、置かれた環境によってさまざまな形で発生します。
ここではさまざまな錆の形について説明します。
・全面腐食
こちらは名前のままで、金属の全体にびっしりと発生している錆のことを指します。
耐食性の低い金属で発生することが多いです。
全面にわたって錆が進行している状態なので、環境に合わせて適正な材質のものを選定することが大切です。
・部分腐食
こちらは金属の一部分に発生する錆です。
孔食と呼ばれることもあります。
耐食性の高い金属が錆びやすい環境に晒されることで、耐食作用が追いつかずに錆が発生してしまう場合に部分腐食が発生します。
部分腐食に関しては、形状や製造の過程、他の金属からの影響によって発生することがあります。
これらの腐食については以下で説明したいと思います。
・すきま腐食
こちらも名前の通り、すきまに発生する錆のことです。
不動態皮膜が機能するためには、酸素が十分に供給される必要があります。
接合部や狭く入り組んでいる部分、埃や汚れが溜まっている部分は酸素が供給されにくくなっています。
そのため、こうした場所では、錆が発生してしまいます。
・溶接部の腐食
溶接部分は高温で熱されてしまうために、不動態被膜の効果が弱くなります。
溶接した部分の焼け跡を処理する作業が不十分だと、そこに錆が発生してしまうのです。
・異種金属接触腐食
採用されることが多い金属というのは、他の金属と同時に使用する機会も増えますよね。
例えば鋼材にステンレス製のボルトを使っている場合があるでしょう。
鋼材とステンレス製ボルトのように、異なる金属製品同士を接して使用すると、ある一方の金属に集中して激しい腐食が起きてしまいます。
これが異種金属接触腐食とよばれる現象です。
これには、先ほど紹介したイオン化傾向が関係しています。
イオン化傾向の大きい金属と小さい金属が接している部分に水が触れることで激しい腐食が起こります。
今回は、錆にくい金属について紹介しました。
単に錆びにくいといってもさまざまな金属があることをおわかりいただけたでしょうか。
錆の発生を防ぐためには、適切な材質を選定すること、環境を整えることが大切です。
そのほか製造工程における錆対策も忘れないようにしてくださいね。
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